今こそ極小老舗商売         ~商売復活で日本が楽しくなる

廃業した小さな銭湯が急回復する方法はいくつかある。
僕らニコニコ温泉社ではこういった手法を「即時銭湯復活法」と呼ぶ。

今回はそのうちのひとつ、朝風呂の話をしたい

風呂業界には、朝風呂という巨大な市場がある。極小老舗商売たる銭湯は、朝風呂に挑戦する店はまだ多くないが、やれば確実に元気になるのが朝風呂だ。

朝風呂やってる店も、はじめた当初は「なんで朝にこんなに来るんだろう」と思ったはずだ(主な理由は日本が高齢社会ってのと関係してるがここでは割愛)。

早朝5時から営業をはじめ客数を増やした神戸市の湊山温泉(みなとやまおんせん)

さてこの朝風呂。一番客がくるのは早朝5時~8時。8時以降は、朝飯食べに帰宅するとか現役で働いている人は出勤するので客数は減っていく (※余談だが、それ故に朝食サービスをやってもイマイチ売れない)。

そして地方でも3時間のうちに30人、都会だとそれこそ100人来店する。これって極小老舗商売である銭湯にすれば、ありがたい来店数だ。


 ただ、どこの銭湯も朝風呂・早朝風呂をすぐに実行できるかというと難しい。

銭湯は1~2人で切り盛りしているところが多く、「よし、やってみるか」とすぐに行動に移せるケースはほぼない。やるにしても組織力や作業時間を整えなければできたものじゃないのだ。


 でも実装したときの効果は「朝ってこんなにお客さん来るんだ」という手ごたえとともに確実に客数に表れる。


「都会で人口多いからでしょ?」、「うちみたいな田舎じゃ無理だよ」と考える意見もあるかもしれない。ただこれだけは覚えといてほしい。

朝風呂は1日のうちでも確実に風呂需要がある時間帯。それは都会も地方も変わらない。お湯を沸かすコストはほぼ固定費なので、1時間に数人でも朝風呂客が来てくれれば、早朝に番台バイトさんを雇っても、赤字になることはない。


そして始めさえすれば、一人また一人と確実に客数は増え、気づけば売上増&客数増で、多くの銭湯が体力を取り戻していく。

 どんな商売にも言えることだが、一般にジリジリ客数が落ちて体力を削られている店は、新たな取り組みやサービスに踏み出そうにも、体力・気力・作業人数などが追いつかない。結果として長期にわたり店の体力(資金力、人材、情報、設備など)が削られていく。完全に悪循環だ。

 ここで話した朝風呂・早朝風呂は、実装できれば悪循環を断ち切るにはうってつけだ。今すぐとは言わなくとも、準備して半年後にトライしてみる、今度の連休だけイベント的にやってみる、など負担の少ない範囲で少しづつトライしてみてほしい。


 朝風呂に限った話ではないが、こういった事を続けていくと、極小だろうが老舗だろうが、商売というのは息を吹き返し、人も雇えるようになり、仲間も増える。売上利益も出てきてそれこそ復活していくものだ

 今回は銭湯復活の方法として、朝風呂を紹介した。

 実はこの朝風呂、ニコニコ温泉社が銭湯引継ぎの時の必殺技として必ず取り入れている。つまり効果実証済みの方法。そして今後新たに銭湯を引き継ぐ事があるとして、そこが地方だろうが都会だろうが必ず実装すると決めている。


全国の風呂屋も、くどいようだが今すぐは無理でも「チャンスをつくってやってみようか」と頭の片隅にでも覚えておいてもらえたらと思う。

おしまい

★★ 極小老舗(ごくしょう・しにせ)商売とは ★★
50年以上、100年以上の老舗の商売。探してみると結構ある。それも夫婦とか家族でやってるような小さな商売。駄菓子屋さん、八百屋さん、 豆腐屋さん、まちの食堂さん・・・。銭湯もそのひとつ。これを極小老舗商売と呼ぶ。世界中の極小で老舗な商売が元気を取り戻せば、日本や世界にとって良い事いっぱいなのだ。【 真神 友太郎(まがみ ゆうたろう)】

投稿者:

まがみ ゆうたろう

まがみ ゆうたろう

やりたい事で生きてく時代到来で事業家に転身。 想定外で若干苦労するも、歩きながら考えてるので気にならない。 ベンチャー企業やる理由は、小学生の頃の自分に胸張りたいから。 今の肩書は、ニコニコ温泉株式会社CEO  変態的でもいいので銭湯経営術を確立中♪

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です